ブランドマーク・ワインラベル|Rue de Vin|2007
リュードヴァンの小山さんのオーダーは、「僕はフランス、欧米のワイン文化をとても尊敬している。その文化に敬意を払いつつ、日本の東御の独自のワインとして、表現して欲しい」でした。これはデザイナーであれば、常に頭を悩ませるものです。「日本」と「欧米」をどう扱い、折衷し、表現すれば良いのか。
そこでまずは欧米のワインラベルをフランスを軸に見ていきました。装飾、字体選び、色使い、瓶との幾何学バランス、印刷方法などに、不思議とお国柄と「これはどんなもので、どうしたいのか」という作り手とワインの意思のようなものが滲み出てきます。それから、日本のものをみていきました。多くのラベルに、先の「悩み」からの行動が見て取れます。漢字・ひらがな・カタカナを積極的に取り込んだもの、シャトーのような背景画を入れたもの、王道のボルドー形式やブルゴーニュ形式に見習ったもの、などなど。
そこで、数十年後、どこかの国の人がこのボトルを手にした時に、「美味しそうな間違いないワインだ」と直感し、どうやらJapanでつくられたみたいだ。と思ってくれるようなラベル、情報伝達をデザインの軸にしました。そして、小山さんの未来像が100年後であるため、ワインの樹とともに成長できるラベルとなるように、大きめの糊白をあえて残しました。(正直にいまは何もないため)
「Rue de Vin」はフランス語でワインへの道です。この道に至る、東御の環境要素、山なみ、動物たち、風、空気、ぶどう、を単純な装飾記号(図1、2)におきかえ、地中海の海の色/ブルーメディティラネ、そしてもう一つの重要色は、日本の「憲法色」をキーカラーとしました。最初にリリースとなった記念碑的シャルドネのベース色となっています。(図3)生立ちはそれぞれの文化に根ざしながら、この1本のワインに昇華し、ワイン文化の土壌を形成してくれますようにと思いが詰まっています。
AD・D
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